ある日。
幸来が来るまで、教室でスマホをいじって慎とメールしていると。
担任が教室に来て、職員室まで朝のホームルームで配るプリントを取りに来てほしいと頼まれた。
私はその日、日直だったからしょうがなく了承した。
プリントを持って教室へ戻る途中。
久遠先輩を見かけた。
幸来が大好きな、久遠先輩。
かっこよくて、良い人だと思う。
まぁ、私は慎一筋だけどね。
久遠先輩は校門へ向かって行く。
立ち止まり、どこへ行くのだろうと見ていたら。
校門に、ぴょんと兎のように弾む幸来がいた。
久遠先輩と幸来は、仲が良い。
2人は楽しげに話していた。
すると、私は幸来の隣にいる男の子が目に入った。
私は視力は良いから、遠く離れていても、どんな容姿か見えた。
彼は、この高校の制服ではない制服を着ていた。
きっと誰もわからないであろう制服。
私は見覚えがあった。
私が以前住んでいた街にある高校の制服。
その高校の制服を、私は忘れたことがない。
だって、早乙女二瑚の通っていた高校だったから。
しかも彼は。
綺麗な黒髪、整った顔立ち、眼鏡。
―――早乙女二瑚と、似ている……。


