「早乙女くんが、雫ちゃんのお父さんを自殺に追いやった万引き犯だってことは知っているかな?」
「はい」
「早乙女くん、凄くそれを悔やんでいてね。
自殺未遂を犯すのも、今日が初めてではないんだ」
初めてじゃない……。
「自分を傷つけることで、自分の過ちを知る。
早乙女くんは、ずっとそれを繰り返しているんだ」
自分を傷つけることで……。
「早乙女くん、ご両親は……」
「……色々と複雑みたいでね。
まだ1度も、面会に来られたことはないよ。
いつも1人、病室でボーッとしているよ」
私、何も知らなかったのかな?
早乙女くんの、万引きした本当の理由を。
「お父さんもお母さんも、早乙女くんのことなんて気にしていない。
聞いた話だけど、ご両親には愛人がいるみたいでね。
早乙女くん、1度お父さんの愛人に殺されかけたこともあるみたいだ」
殺されかけた……?
「前に1度、お腹の中から裁縫針が見つかった少年のニュースやっていたんだけど、知らない?」
「あ、前にテレビで見ました」
「それ、早乙女くんだったんだ。
お父さんの愛人が、ご飯の中に仕込んだらしい。
それかららしいよ、万引きをするようになったのは……」
私は家に帰り、慎に話した。
慎も驚いていた。


