「え?」
「……ごめんなさい………」
はらり、はらり、と涙を流しながら早乙女二瑚は呟く。
異様な光景に、私は何も言えなかった。
もしかしてこの人、私があのスーパーの店長の娘だってことに気が付いているの?
…あの日、私が泣き叫んだのを、見ていたの?
記憶力良いなぁと呑気に思っていると。
彼はふっと倒れこんだ。
まるで、糸の切れたマリオネットのように。
右手首から、真っ赤な血が流れていた。
「早乙女くん!?」
復讐したい相手ではあったけど。
人として、このまま放っては置けなかった。
私は急いで中へ入り、医者や看護師を連れてきた。
早乙女くんは運ばれた。
切り口が浅かったため、死には至らないそうだ。
「何で…リストカットなんて……」
私は隣に座る、担当医に聞いた。
たまにだけど、早乙女くんを見ることがあるそうだ。


