すると早乙女二瑚は、こっちを向いた。
整った顔立ち、それに似合う眼鏡。
とても綺麗な顔をしていた。
アイドルかと間違えるぐらい。
私はそっと、彼に近づいた。
彼は私を見つめたまま動かない。
私はその隣に並んだ。
何故病院の屋上になんているのだろうか?
病院に通院、もしくは入院している人、お見舞いに来ている人ではないと、屋上へは立ち入り禁止のはずだ。
彼も通院、それか入院しているのだろうか?
「…早乙女、二瑚くんだよね?」
私は出来る限り明るく言ってみせた。
復讐するのは、まだ先。
彼に大事な人が現れるまで。
「誰かのお見舞いかな?」
お見舞いに来ているのなら、その人の人生を壊してやろう。
犯罪はしない、コイツや綿貫沙羅と同じになるから。
犯罪はしないで、壊す方法ならいくらでもある。
「……い」
はらり、と涙を流しながら、早乙女二瑚は呟いた。


