あたしがキスをすると、二瑚は小さく反応した。
「痛かった?」
「いや、別に……。
幸来、良いのか?」
「当たり前じゃない」
二瑚の心の傷は、この右手首よりも鋭く深いものだから。
心の方が、きっともっとずっと痛いはずだ。
一体二瑚は、どれほどの時間、心と体の痛みに耐えてきたのだろうか?
たった1人で、他人に甘える方法も知らずに。
「あたしを頼って」
「!」
「頼りないかもしれないけど。
あたしが、二瑚の傷を癒したい。
手首の傷だけじゃなくて…心の方も」
「…………」
「大好きだよ、二瑚。
ううん、違う。
愛しているよ、二瑚」
君が望む限り。
あたしは何度でも、君にキスをするだろう。
君が寂しいと言えば、近くで手を握るだろう。
君が辛いと言えば、君を抱きしめるだろう。
君が哀しいと言えば、
あたしは何度でも、君を愛する。


