「食べ物に関する好き嫌いはない。
だけど、確認してしまうのが、癖なんだ」
「二瑚、だからご飯食べなかったの…?」
腕が細くなるまで……。
「……そうだ。
母さんが食費をくれなかったのもあるけどな。
食べることに最近、抵抗を感じているんだ」
二瑚……。
あたしは目元に溜まった涙を拭いた。
「だからこの間は、幸来に迷惑をかけたんだ。
悪かったな、あの時は……」
「別に良いよ、気にしないでよ……」
「これからも、迷惑をかけるかもしれない」
その言葉に、ドキッとした。
嫌な予感がして、ならない。
「幸来。
…俺と、別れてくれないか?」
予感が、的中してしまった。
あたしは、両手で顔を覆った。
泣き顔なんて、見られたくない……。
「…なんて、言うか馬鹿」
二瑚は口元に、黒き笑みを浮かべていた。


