続・生意気毒舌年下男子








駅についても、あたしは目尻に涙を浮かべていた。




「遅刻してくる幸来が悪いんだろ」

「……ふぇ~ん」

「早く泣き止め」




さりげなく、あたしの手を握る二瑚。






二瑚の後ろに乗るのは大好き。

二瑚の体温を感じられることが出来るから。

…変態発言、許して。




でも、二瑚はあたしが遅刻するたび、坂道を漕いでスピードを上げる。

ただ坂道を下る分には問題ないんだけど、漕いだことでますます上がるスピードが、あたしは苦手なのだ。

もうすでに1週間あたしは待ち合わせ場所であるエントランスに行くのを遅刻しているから、そろそろ限界なんだけど……。




毎回駅では怖すぎて泣いちゃうし。

でも二瑚は文句を言いながらも待ってくれて。

それが凄く嬉しいから、遅刻しちゃって。




はぁ。

あたしってスピードを選ぶのか、二瑚を選ぶのかって言われたら、絶対二瑚だから。

遅刻することを、やめられないでいるのだ。




最近のあたしの、密かな悩み。