「俺は人に簡単に弱点は教えない。
悪用されても困るからな」
悪用って…。
二瑚ってそんなに人から恨み買うわけ?
「知っておいた方が良いぞ。
人に簡単に弱点や秘密を教えない方が良い」
「……確かにそうだけど」
あたしは自分から、二瑚の手を握った。
驚いた顔をしていたけど、二瑚は振りほどこうとしなかった。
「あたしは、二瑚になら話せるよ、何でも」
「…………」
「あたしも、二瑚のこと…知りたいなって」
いくら毒舌を浴びせられても。
いくら生意気な口叩かれても。
あたしが二瑚が好きなんだから。
そういう所も全てまとめて、あたしは二瑚に恋をしたんだから。
「……だから幸来には隠し事出来ねーんだよなぁ」
ふっと二瑚は笑った。
キラキラしていて、本当に王子様だと思った。
ううん。
あたしにとって、二瑚は王子様だ。


