「ちょっ、幸来ちん大丈夫?」
「……大丈夫です………」
あたしは青白い顔をしてベンチに腰を下ろした。
「僕が見ているので、内山先輩は慎と楽しんできてください」
「良いの?」
「はい!」
「じゃあニコっぺ、よろしくね。
幸来ちん、無理しないで良いからね」
仲良く手を繋ぎながら、遠ざかる雫と慎くん。
その後姿を、あたしは見つめた。
「大丈夫か幸来」
「へ、平気……」
強がってはみるけど。
本当にあたしはジェットコースターが苦手だと、再認識した。
「乗らなければ良かった……」
「馬鹿みてー」
クククッと喉を鳴らして笑う二瑚。
あたしは頬を膨らませた。
「二瑚は良いよねー」
「何が」
「絶叫系乗れて。
あたしも乗れるようになりたいなー」
「は?
何で乗りてーと思うんだが」
隣にドサッと座りこんだ二瑚を、あたしは思わず見つめる。
乗りてーと思うんだか?
…二瑚は乗りたくないの?


