それからもあたしは二瑚の毒舌の雨を浴びながら、遊園地に到着した。
全く…耐えられるあたしが怖いよ。
「最初どれ乗るー?」
「俺はジェットコースター乗りたい!」
慎くんの申し出に、あたしは思わず後ずさりした。
ジェットコースター…。
あたしがこの世で最も嫌いな乗り物だ。
朝の自転車の坂道で絶叫しているんだから。
ジェットコースターなんて乗ったら、気絶しちゃう。
「乗れないんですか上野先輩」
二瑚がニヤーッと怪しげな笑みを浮かべる。
それを雫がかっこいいと思ったのか頬を染め、慎くんが睨んでいた。
雫のかっこいいと思えるのが、あたしには信じられないよ。
怪しげにしか見えないよ。
「乗れるもん!」
「大丈夫幸来ちん」
「平気だって!」
二瑚の怪しげな笑みが嫌で、ヤケになって言ったけど。
あたしはジェットコースターに乗る羽目となった。
絶叫系は大嫌いなのに……。
その後。
遊園地内にいるお客さん全てが振り返るぐらいの、あたしの絶叫が響いた。


