この気持ちは、気付かれない。




思わぬ山本くんの告白にわたしは驚いていた。

そんな話、聞いたことなかった。
そんなそぶりは見せなかったし、ちらりとも感じなかった。


「……、」


言葉が出てこない。まさかそんな経験をしてたとは思わなかった。

だって、いつも不敵に笑っていたもの。寂しさなんて、滲ませなかった…
どうして何も言えないの、大事な人を失うつらさは、知ってるでしょう、何か言葉は…ああ、


「おいおい、泣くなよ…」

「…、」


つらいでしょう、悲しいでしょう、あなたも、1人だったの…


「ごめんな、こんな話して」


ぶんぶんと首を振る。謝らないでよ、何も悪くない。


「…皐月は、優しいな。俺のために泣いてくれんの?」

「ちが…、だって、寂しい…」


失うつらさはよく知ってる。喪失は、わたしを悲しみでがんじがらめにしたもの。


「今はもう寂しくない」

「…?」


頬に温かい手が添えられて、わたしは泣いたまま山本くんを見た。


「皐月が泣いてくれるから。寂しくないよ」


ありがとな、と囁いて山本くんはわたしを柔らかく抱きしめた。

そうか、わたしたちは同じ寂しさを知ってたんだね…