この気持ちは、気付かれない。




寝すぎたのか、貧血なのか、はたまた体調が悪いのかわからないけれど立ち上がると眩暈がした。これは何か食べて寝るしかない。


「おまえ、フラフラじゃねぇか!そんなんでおいていけるわけねぇだろ!?」

「大丈夫、いつものこと。慣れてるから。寝れば治るから。…だから、放っておいて。」


ぐ、と彼の体を押したつもりだったけれど、思ったより力が入らないらしい。微動だにさせられなかった。




「…とにかく、一人になりたいの。」


人を頼るのは、わたしにはできない。甘えていては、一人で立っていられなくなる。


大丈夫、いつだって一人で立ち直ってきたもの。きっとまた一人で歩けるようになる。わたしが一人で歩けさえすれば、優衣にも、誰にも、迷惑をかけないで済む…。だから、放っておいて。




「…なんで、頼ってくれねぇの?」

「……」

「優衣も言ってたけどな。俺たちは、皐月に頼られたって迷惑なんて思わない。いや、頼って欲しいと思ってんだよ。」

「……」

「一人で我慢して、一人で抱え込んで、せっかく弱いところを見せるチャンスなのに。なんでまた一人になろうとするんだ?俺はもう決めた。皐月が嫌がったって、一緒にいたいんだ。頼って欲しいし、寂しい時には構い倒したい。俺もきっと皐月の存在に頼ることだってある。お互い様な、そんな関係もダメな訳?」

「……」



そう言う彼の顔を、見ることができない。

…だって、だって。そんなことを言われたらわたしは山本くんを頼ってしまう。寂しくて寂しくてたまらない、もう一人は嫌なの、って言ってしまう。きっとその顔を見たら泣いてしまう。困らせる。


山本くんを、頼ることはできない。



「…あなたは、わたしの大事な大事な優衣の彼氏だよ。優衣の、大事な人なの。」

「そんなの!今更だろ!」

「…わたしが精神的に頼るようになれば、今までとは関係は変わるよ。そんなことできない。これ以上優衣を悲しませたくないの。」



そう言うわたしに返ってきたのは、想像を絶する答えだった。