高校に入る頃にはすっかりわたしも落ち着いていた。
だけど人と関わるのは苦手だった。
大好きな人がまたいなくなったらどうすれば良い。
置いて行かれたら。
手が届かなくなったら。
また、わたしの手を握り返してくれなくなったら。
そんな思いに縛られたまま、誰とも深く関わることができない高校生になった。
わたしには、兄貴しかいないと思っていた。
そんなわたしが出会ったのが優衣で、秋で、山本くん。
まず、優衣のあまりの純粋さに惹かれてしまった。
悲しくなるほど純粋で、心が真っ白で、まっすぐにわたしに向き合ってくれる人だった。
無垢な笑顔はわたしが今までに触れたことのないもので、母親の雰囲気を思い出した。
愛しくて仕方なかった。



