高校生の時は、しょっちゅう夜中に皐月を呼び出してた。
優衣と飯食いに行ったその後に、なんて。最低だな俺。
俺としては皐月の家も知りたかったけど、それだけは全力で拒否された。
むしろ、そこに全力を注ぎすぎて俺を拒否する余力が無いように見えるくらいだった。
そんなんだから、家庭環境に何かあるってことは、すぐに気付いた。
卒業するまで不毛な関係は続いて、俺は3人とは少し離れたところの大学に進学した。
高校生の時からほぼ1人みたいな生活をしてたから、改めて一人暮らしを始めても何も苦労はなかった。
ただ、大学でも嫌になるくらいモテて、うんざりだった。
彼女がいる、と断っても「地元は遠いんだから、バレない」と言われ。
「二番目でもいいから」などと言われた時には、自分の立ち位置を顧みて切なくなった。
俺も、そうなのかもしれない。
でも俺は、秋を見ている皐月をどうにかして振り向かせたい。
それを思うと、「二番目でいい」なんて言ってる女もきっと一番になりたがるに違いないと思った。
結局、女を振り切る為には嘘をつけない。
それで、「好きな女以外相手にならない。」と言うことにしたのだ。
優衣とは、正直むしろ不健全なほど健全なお付き合いしかしてなかった。
優衣相手にも反応しないし、俺の言う好きな女、っていうのは間違いなく皐月だった。
そんなことに優衣が、皐月が、気付いてるとは思えないけど。



