この気持ちは、気付かれない。




「おーい皐月さーん、後輩口説くのやめてくださーい」

「あ、潤くん」



後輩の可愛さにニヤニヤしてたら潤くんがやってきた。相変わらず爽やかだ。



「菜穂が可愛いからって口説いちゃダメ。惚れちゃうだろ」

「だって菜穂可愛いんだもん」


ぎゅー、と菜穂を横から抱きしめる。やっぱ柔らかい!きもちい!


「そりゃ菜穂は可愛いよ。だからって皐月が独り占めしちゃダメー」

「いいんです〜菜穂はわたしのです〜」

「もうっ!ふたりとも!恥ずかしいです!!」

「あはは、菜穂真っ赤!」



こうも素直な反応をされるとほんと可愛いなって思ってメロメロになっちゃう。


わたしはほんわか癒し系の女の子が大好きだからな〜優衣もこんな感じのほんわかで…、と考えたところで心臓がどっしり重たくなった。

優衣、今どうしてるんだろう…なんて思いだしたら、無意識に眉が下がる。



「ん?皐月、どーした?」

「皐月さん?」


突然わたしがだんまりになったから、ふたりが心配そうに声をかけてきた。


それでハッとする。危ない危ない、こんなとこでブルーになってちゃ心配かけちゃう。



「菜穂の可愛さが羨ましくなっちゃってた!なんでもないよ〜」


あはは、と笑いながら視線を感じる方に目を向けると、眉をひそめた翔子と目があった。


……ああもう、そんな心配そうな顔をされると全部喋って頼りたくなっちゃうよ。助けて、って言ってしまいそう。



思っていたより、わたしの心は決壊寸前だ。