俺と透先輩は集中治療室の前にやって来た。 集中治療室前の廊下の長椅子には、嗚咽をあげながらギターケースを抱えて泣いている心春先輩と、頭に包帯を巻いてジッと集中治療室を見つめている、信太の姿があった。 その光景が物語っている。 雫が、いかに危険な目に遭ったかを――。 「……なあ。何があったんだ?」 俺は信太に話しかけた。 こいつもすごい怪我だ。 顔中傷だらけ。