S先生は、
身体がガッチリしていて、
背丈も日本人離れした英語の先生だ!!

短大の英語の先生だけど、
予備校でも教えているそうだ!!

個性的なS先生は、
まるで歴史の教科書の挿し絵にある北海道アイヌのアッケシの族長さんのイワトコみたいな、
容貌だった!!

両国国技館のお相撲さんサイズの服を着ていて、
色は白人みたいに白く見える!?

不思議な存在感のある先生だ!!

S先生は、歌も上手くて、
この日たまたま英語の歌を
歌ってくれるというので、
A氏が、代わりに録音して欲しいと、
録音機材を私に託した!!
A氏は、S先生の講座も受講していたようだが、
そんなに上手なのかな?

M先生の歌は、
お世辞で皆拍手していたって感じだったのに……。

半信半疑だった……。

しかし、S先生の歌は、
なかなか魂を揺さぶるアツい歌ばかりで、
私は、思わず熱烈な拍手をした!!

私たちのウケに気をよくしたS先生は、
アンコールに応じて、
3曲まで歌ってくれた!!

普段は2曲でやめる所を
私の反応に、
ついついもう1曲歌ってしまったそうだ!!

「もう1曲……と、言いたい所だが、
嫌な顔した人もいるな?
じゃあ、さっきの歌の英文解釈……。」

カツカツカツ……。

黒板に英文の歌詞を書いて、
さっきの歌の英文解釈を始めた。

予備校の講師は、
こうしてたまに真面目はかりではない、
ちょっとしたイベントを
講座に組み入れて、
皆の気分を変えてくれる♪

A氏は、後日このS先生の歌と、
ついでにM先生の歌を
ダビングして、
プレゼントしてくれた。

S先生の歌に魅了された同じクラスのメンバーは、
私の他に二人の男子がいて、
S先生にサインと握手を求めたりしていた。

S先生ファンとして、
彼らと私の交流が、
何度かあった。

隣の席の娘、
日本史仲間、
そしてS先生ファン……。
この7人が、
私の予備校で知り合った仲間で、
連絡先とか、
互いに知っている仲間になった。