ダルいのに、
沢山待たされた。

やっと診察受けて、
急遽検査をすることになった。

処置室では、血液と尿検査。

ここは知っている。

でも、脳波検査を
生まれて初めて受けた。
小児科の診察室の奥に有る。

一体どんな検査なのか、
緊張していたら、

「ただ寝るだけ。」

と、言われた。

脳波の検査は、
二つベットが並ぶ。
人一人が、
立てるぐらいの所に、
カーテンが引かれて、
二つのベットを仕切る。
都会は、何かと狭い。
住宅や病院も。

狭く薄暗い中で、
看護師とは違う白衣を着た技師が横になった私の枕元に来て、
電極を頭に付ける。

最初に髪の毛に、
ヒヤッとするクリーム状の薬みたいのを
電極をつける所に塗られて、
電極が付けられていく。
耳たぶや、手の甲にも、貼りつける。

こちらは、絆創膏のテープでとめる。
額から後の頭には、
外れ止めか、
包帯みたいな布を巻かれた。

「さ、終わったわ!!
これから検査しますね!
ピカッって光るのやって、
深呼吸して、
眠るの。」

私は、頷いた。

目の前に、
学習机のスタンドのベットバージョンな銀色の四角い箱みたいなのを持ってきた。

「目を閉じてて下さいね!」

機械の低いうなり声がし始めた。

脳波検査の機械を動かし始めたみたい。

鉛筆で、何かを書くような音がする。

しばらくすると止んで、
また機械の低いうなり声が続く。
一定時間経つと、
本のページをめくるような音が、
時々聞こえる。

さっきの技師のおばさんが、
隣の部屋から声をかけてきた。

「今から、ピカッって光ります。
目を閉じててね!」

カメラのストロボみたいな光りが、
何度も点滅している。


目を閉じていると、
光りが、丸い輪の中に、
無数の輪を生み出して、
ぐるぐる回転を始めているように見える!!

だんだん光りの点滅が、
速くなる。

ちょうど、
ページをめくるような音が聞こえると、
点滅が、速くなるようだ。

目を閉じているのに、
目が回っちゃうよー!!

しばらくしたら、
光らなくなった。

「それじゃあ、
深呼吸ね!!
吸ってー、吐いてー、吸ってー、吐いてー……。」

早いよ〜!
これじゃあ、
深呼吸じゃないよ!!
浅く早めな深呼吸をしていて、
疲れてきた。

「まだよ〜、
吸ってー、吐いてー……。」

もう疲れてきた。
いつまで早い浅い呼吸させられるんだろう……。

「あと30秒!!」

吸ってー、吐いてー……。

「あと20秒!!」

吸ってー、吐いてー……。

「頑張って!!
あと10秒!!」

本当!?

9、8、7……。

「はい、オシマイ!!」

技師のおばさんが、
枕元に来て、
ストロボの箱を脇にずらした。

「もう寝ても大丈夫よ!!」


機械の低いうなり声、
時々、ページをめくるような音が、
続く……。
こもったような声で、
小児科診察室の先生が、
患者さんを呼び出しする音。

時々鳴り響く、内線電話の呼び出し音。

廊下の足音。

この部屋、
結構うるさい……。

眠れるのかな?

こんなんで……。