その後、電話を何度かT先輩からもらったけど、
家族に取り次がないように、
頼み込んだ。

バレンタインにも、チョコはあげずに、
卒業式で、第2ボタンをもらうなんて事もしなかった。

もう、自然消滅……。

そうしたかった。


春休み中に、
私は、引っ越しして、
転校をした。

引っ越し先に、
T先輩からの手紙が、
転送されていた!!

『ぴろちゃん、
どうして会ってくれないんだ?
会いたい。
Cとは別れた。
俺と付き合ってやってもいいぜ!
返事待ってる。
Tより』

T先輩!?
付き合ってやってもいいぜ――って!?

遠距離恋愛で、
あっちこっちに彼女をキープしても、
うるさく言われなくて、
たまにしか逢わないから、
遊んでも全然バレない、
都合のいい恋人にしたいだなんて!?

好きだったけど、
絶対嫌!!

『T先輩へ
遠いから、
会えない。
さよなら、
元気でね!
ぴろ』

住所を書かずに、
返事を出した。

さようなら、
T先輩。

さようなら、
私の初恋の人。