ある日、T先輩と立ち話をしていたら、
相変わらずT先輩は、
私を口説いてきた。

「ぴろちゃんって、
蟹座なんだって?
蟹座と魚座は、
相性良いんだぜー!!」

「そうなんですか?」

「占いでさー、
俺たちは、
告白とかしないで、
自然と付き合う運勢なんだって!」

女子か!?
と、今なら突っ込みたいが、
当時の私は、そんな台詞にドキドキだった……。

「ぴろちゃん、
俺、
キスしたことあるんだぜー!」

「そうなんですか。
私の唇は固いかも♪」

「どれ……。」

T先輩に、
唇を奪われた……。

「柔らかいじゃん♪」

「そうですか?」

「来週の日曜、
空いてる?」

「はい♪」

今度の日曜は、
水泳部は、
大会がある。

先輩たちは、これに出たら引退なの!

「買いものつきあって欲しい。」

「私も……、
買いたいものが……。」

「じゃ、決まりだな?」

「うん……。」

デート?

デートなの!?

少女漫画のような展開に、
私は、ドキドキだった。