ずっと走り続けていると細い路地裏に来た。 ここに庵はいるのかな 分かんないけど、足がもつれて壁を伝わないと歩くことすらできない。 あれ。何だかこの感覚似てる気がする。 ・・・ あの時に。 嫌だ、嫌だ。思い出したくない! だんだん頭がぼぅっとしてくる。 頭が鈍器でガツンと殴られたように痛い。 だけど、探さなきゃ。 まだ私はここで折れる訳には行かない。 庵。庵。 細い路地裏の奥へと足を進み入れた。 「ゆぅ。」 鳥肌が立つような男性の猫なで声。