《第三者 side》



「おい、庵!何考えてるんだよ!」



双子の明るい方─新が、クールな方─庵に掴みかかる。



それは庵が由依と別れて帰ってきた日のことだった。









「...」


庵の帰りを心待ちにしていた新は何も言わずに帰ってきた庵に最初きづくことができなかった。


リビングを通らずに部屋に向かった庵に気づいたのはだいぶ時間が過ぎた頃で。



新は急いで庵の部屋へ向かった。



ただ一瞬ドアを開けるのを躊躇った新。


それは、心の準備をするためだった。



庵と同じように新も、由依のことが好きだったのだ。


でも、新からすると2人はきっと、両想い。


だけど、そのことを2人はまた、気づいていない。


鈍感な2人だから、しょうがない。俺が2人を取り持ってやらなければいけないんだ


そう、思っていた。

だから2人でデートも行くようにさせた


きっと2人は上手くいったんだと思う。



だから、もう自分の勝ち目はない。




それを理解はしているけど、やっぱり少し胸が痛いようだ。



哀しい顔をしているかと思うとすぐに、新は笑顔をつくった。



新は数回ノックをしたあと、
ドアノブに手を掛けた。


「庵?入るぞ」