■□■ ここは屋上。 今は授業中で、屋上には誰も居ないはずだった。 しかし蓋を開けて見ればいつからか彼はここにいたのだ。 その声には聞き覚えがあった 。 掴まれた手首はびくともせず、私はただ彼を見つめる。 「…桐生、君…」 無造作にセットされた金髪。 髪から覗く切れ長の目は相変わらず冷たい印象を受ける。 だらしなく着崩された制服はどこか色っぽい。 試しに名前を呼んでみれば、無表情で吸っていたタバコの火を地面に擦り付けて消した。