「…花霞」




頬に指を滑らせてくる。


客観的に見る桐生君はゾクッとするほど艶かしい。人を惹き付ける圧倒的なまでのオーラ。


素で笑う今の桐生君は魅了的で、頬が上気する。




「漸く、追い付いた」




呟いて、桐生君は優しく笑う。満面の笑顔に胸を撃ち抜かれた。


物凄く綺麗だと思った。悲しみ混じりの深い瞳よりも、今の澄んだ瞳の方が綺麗だ思う。ゾクリとするほど透明な双眸に見つめられて、とくとくと心臓が暴れ出す。