「お、落合君、好い人だったよ?意外と優しかったもん」 「…どこがだ。どうせ猫被ってんだろ」 昔何かあったのかな。落合君の名誉のために弁明すれば、ますます面白くなさそうに桐生君は眉を寄せた。 「…アイツは腹黒い」 どれだけ落合君の事を疑っているんだろう。でも、好い人だったって言うのは本当。もっと冷たい人なのかと思ったけど幼なじみ思いの、ちょっと表情が堅い人って言う印象。 落合君に大しての不満をブツブツ呟く桐生君に、何だか可笑しくなって笑みが零れる。それって親しいからこそ出る不満だよね。