穏やかな笑みを浮かべる小田切君と如月さんは絵画から飛び出してきたかのように綺麗で、目が奪われた。


本当に幸せそうで見ているこっちが汚れているんじゃないかと錯覚するくらい。


ううん、私が汚れている。


だって小田切君に寄り添う如月さんを見たら胸が鷲掴みされたように痛くなった。


嫌だ。


悔しい。


ごぷりと音を立てて湧き上がる醜い感情。


何かがどろりと心を流れる。


粘着質なそれは、ポッカリと空いた心に流れ込んで穢らわしい思いばかりを巡らせた。