もはや桐生君と帰る事が日課になっている下校時間。いつも通り星絆ちゃん達に囃し立てられながら、教室を後にした。


繋がれた手の感触を確かめながら、私はまたもやこっそりと桐生君を見上げる。


大胆な桐生君の行動には慣れ始めているけど、やっぱり手を繋ぐのは擽ったい。引っ付くと、とくとくと心臓が音を立てる。それが、もどかしい。


ちらりと見上げた横顔は、やはりと言うか、整っていた。一つ一つのパーツが、芸術家が丹精込めて作り上げたみたいに非の打ち所が無い形をしている。配置のバランスも完璧で、いっそ芸術品と言っても良いかもしれない。



「…おい、見すぎだっつってんだろ」



ぼんやりと眺めていると、私の視線に気付いたのか桐生君が訝しげに声を顰めた。



「…何なんだよ」



あまりに見すぎていたせいか桐生君が不思議そうに少し首を傾げた。そんな仕草ですら魅力的なのだから、美形は狡いと思う。