空と君との間には

「結城くんは初対面から鋭かったよ。『鬼首部村(おにこべむら)の笛が泣く』を書いている時だった」


「『このミステリーがヤバい大賞』の『鬼首部村の笛が泣く』ですか?」


「そうそう、よく覚えているね。クライマックスの銀田末幸之助の推理がおかしいと言ってね」


「そうでしたね……」


「『この笛の位置だと、六甲卸しで笛は泣きません。風向きが違います』とね……盲点だった」


「凄~い!!」


「あの指摘がなければ、『鬼首部村の笛が泣く』はベストセラーにはならなかった」


「大袈裟な……」


「いや、本当だ。『六甲卸しの風向き、この着眼点がなければ推理は破綻していた』と評された作品だからね」


「へぇ~。結城さんって、1ヶ月どのくらい読書してるんですか?」


「出版本、連載中作品も合わせて……150作品くらいは」


「えーーっ、そんなに!?」


「1日、たった5作品だ」