「お?隣のクラスの堀田さんの話。」

俺じゃないやつが答える。

「あー。可愛い子だろ?知ってる知ってる。」

「...なんで皆そんなに知ってんの?」

智が聞く。

「俺は西村に聞いた。」

「俺らは...なぁ?可愛いってすでに有名だから。」

「ふーん。」

智が返す。興味ないのか?それとも狙ってるのか?
どーでもいいけど。

キーンコーンカーンコーン

「席につけ~。」

チャイムと同時に先生が入ってきた。

「じゃ。」

「おぅ。」

俺らはお互いの席についた。
授業中、女子がチラチラこっちを見てくる。俺、そこまでかっこよくねぇし。智のがイケメンだろ。
あ~‼集中できねぇ。

(増村、めっちゃ女子に見られてるけど。)

授業中、前を向きながらこそっと西村が話しかけてきた。

(知ってる。集中できやしねぇ。)

(クククッ。イケメンは辛いねぇ。)

笑いをこらえながらノートを写す西村。

(あ?イケメンじゃねーし。)

「増村ー。問5の②解いてみろ。」

「へ?」