な、なんてことを。
こんなに可愛らしいお返事を作り上げてくるとは。
しかも親友のいる目の前でお披露目するとは。
目の前の黄色いラブレターが嬉しくないわけがない。
でも、何て言えばいいんだろう?
嬉しいけど恥ずかしい。
恥ずかしいけど嬉しい。
2つの感情が私の中で押しくらまんじゅうを繰り返す。
顔はものすごい熱を持ってるし、体はあちこちむず痒い。
そのムズムズ感に耐えきれなくなって、早く食べてしまえ!と脳が指令を下す。
ギクシャクとスプーンに手を伸ばした私に雪が声をあげた。
「食べちゃうの?」
「だって! 嬉しいけど恥ずかしいもん。
なんかこのムズムズ感に耐えられないよ。
それにこれは温かいうちに食べないと……」
「ふーん。じゃ、シンタさんも同じだったんだね、今朝」
雪が「いただきます」と手を合わせてオムライスを一口頬張った。
「うわ。味も最高だわ。ホントに美味しい。
千波が本気で羨ましい。
大人で優しくて、カッコよくて、料理もできて。
完璧じゃない、シンタさん。
あんな素敵な彼をあまり困らせたら罰当たりだよ?」
黙ったままの私に雪が続ける。
「きっとシンタさんも恥ずかしくてさっさと食べちゃうしかなかったんじゃないの?
千波が気付かないだけで相当照れてたんだと思うけど?」

