いよいよ2人で祭壇に向き合う。 神父さんは、俺たちの父親より少し年上くらい。 俺たちにそっと微笑みかけてからひとつ小さく頷いた。 それをきっかけにして、再びオルガンの音色がチャペル内を満たす。 讃美歌の斉唱。 参列者たちは嗚咽ばかりで殆ど歌えなかったけど、聖歌隊の人たちが綺麗な声で歌ってくれた。 この歌が終われば、神父さんの宣言と共に聖なる儀式が始まる。 静かに目を閉じ、讃美歌に耳を傾けながら、降ってきたように思った。 これから始まる聖なる儀式は、 とてもとてもすごいものなのだ…と。