「シンタくん、カレー屋さん混んじゃうからそろそろ行こうよ」 踊子のもとから真っ直ぐシンタへ。 どこまでも兄にツレない妹をフクザツな思いで見つめてしまう。 「ん? どうしたの? あ、お兄ちゃんもおめでとー」 やっと俺の存在を思い出したと言わんばかりの対応に、黙っておでこを弾いてやった。 「いったーい! 何でぇ? ! 」 抗議する妹と呆れ顔の踊子とシンタ。 降水確率70%を跳ね返した春の柔らかな日差しがそんな俺たちを包んでくれていた。