「ユウとは最近うまくいってる?」

「ハイ…まぁ、なんとか。」

「そっか…。」

ヒロは煙を吐き出して、頬をかく。

「いろいろ気になってんだろ?」

「えっ…。」

「隠さなくてもわかるから。」

「……。」

何も言えずうつむくレナの顔を見つめながら、ヒロは優しく微笑む。

「アイツは優しいけど、弱いからな。自分に嘘はついても、大事な人には上手な嘘をつくこともできない。オレは、嘘をつくことも優しさだと思うんだけどな…。」

「それって…。」

「オレは、ユウとケイトがどんな関係だったかぐらい、だいたいわかってるよ。レナちゃんも薄々は気付いてんだろ?」

「…もしかしたらって思ってました…けど、ユウは何も言わないから…知らなくて済むなら、もうこれ以上、知りたくもない過去を知りたくないって…知ってなんになるのって…思ってました…。でも…。」

「ケイトか?」

レナは静かにうなずいた。

「日本に戻ったユウが幼なじみの私を選んだのは、懐かしくて勘違いしただけだって、言われちゃいました…。ユウのこと、ずっと好きだったって…。ユウもそう思ってるんだと思ってたって…。」