本番を終えて楽屋に戻ると、レナはメンバーたちと一息ついた。

メンバーたちが着替えを済ませ、帰り支度をしていると、誰かが楽屋のドアをノックした。

返事をする間もなくドアが開き、髪の長い女性が楽屋の中に飛び込んで来て、ユウに駆け寄り抱きついた。

(えっ?!)

興奮気味に捲し立てるように、ユウに英語で話し掛けている。

「ユウ、会いたかった!!」

「えっ、ケイト?!なんでこんなところにいるんだ?」

ユウも英語でその女性と会話している。

(ケイト…?って言うか…誰?)

抱き合って再会を喜ぶ二人を、レナは呆然と見つめて立ち尽くす。

「おいケイト、オレたちもいるんだけど?」

「オレたちには挨拶もなしかよ!」

「相変わらずだな、ケイトは。」

リュウ、トモ、ハヤテが声をかけると、ケイトと呼ばれたその女性は、ユウに抱きついたままで他のメンバーたちの方を見た。

「あっ、みんなも久し振りー。元気だった?」

身動きもできないでいるレナに気付いたタクミが、ユウからケイトを引き離す。

「ケイト、いい加減離れたら?」

「だって、会いたかったんだもん!!」

ケイトはもう一度、嬉しそうにユウに抱きついた。

(何これ…。)

見てはいけないものを見てしまったような、この場に自分がいてはいけないような疎外感がレナを襲う。

(みんな知り合いみたいだけど…。ユウだけ特別な感じ…?)