「聞いてみたいことがいろいろあるんだね。」

「うん。卒業アルバムのオレの写真、もしかしてレナが撮った写真使った?」

「よく気付いたね…。」

「うん。なんか、他のと違うなぁって。」

「それは…あれだね。ユウのカフェオレと同じかも。」

「レナがオレのこと、すごく見てたから?」

「そうだよ。高2の文化祭前に第二音楽室で軽音部が練習してた時、私が向かいの校舎で写真撮ってたの、覚えてる?」

「あぁ…。オレがレナに気付いて大声で呼んだら、あんなに遠くにいるのによく気付くなってみんなビックリしてた。」

「あの時、何撮ってたと思う?」

「校舎からの風景?」

「うん。ユウのいる風景。」

「オレ?」

「そう。望遠レンズ付けてユウを撮ってたの。そうしたら、レンズ越しにユウと目が合ってビックリした。」

「そうなんだ…。」

高校生の頃のことなんて、もう随分前のことなのに、一緒に過ごしたあの日の記憶は、今も鮮明に覚えている。

「こういう話ができるって、幸せだな。」

「うん。今だから話せることってあるよね。」

「オレの頭ん中は、昔も今もレナでいっぱいだけどな。」