新婚の定義──嘘つきな君と僕──

(えぇっ、生け贄?!)

「よくやった、ありがとう!!」

タクミはステージを下りると、走ってきてレナを捕まえる。

「つっかまーえた!!」

(もう勘弁してー!!)

レナは引きずられるようにしてタクミに腕を引かれ、またしてもステージへと上げられた。

「最終日だからね!!やっぱり改めてみんなに紹介しとかないと!」

(いや…もうじゅうぶんなんですけど…。)

「オレのかわいい奥さんでーす!!」

タクミは笑ってレナの肩を抱き寄せる。

「タクミーっ!!オマエはまた…!」

ユウはタクミの手から慌ててレナを奪い返す。

「オレの大事な嫁だって何回言えばわかるんだよ!!オマエには絶対やらん!!」

ユウが叫ぶと客席からファンたちが冷やかす。

「タクミのじゃなくて、オレの大事な奥さんです。いろいろご心配かけましたが、2月14日に無事、入籍しました。これから二人で頑張っていきますので、温かく見守って下さい。」

何度となく聞いたユウの挨拶を耳にしながら、レナは相変わらず固まっている。

「ユウはなんかこなれてきたけど、奥さんは相変わらず固まってんなー。」

トモが大笑いをすると、観客からもドッと笑いが起こった。

(か、帰りたい…!)

レナが恥ずかしさでうつむいていると、どこからともなく聞き覚えのある声がした。

「オレのかわいい娘を、あんまりいじめてんじゃねーぞ。」