「その後どうだ?」

「私たちはうまくいってますけど…。」

「ケイトのことが気になるか?」

「ダディにはやっぱりお見通しですね。」

「まぁな。アイツもプロだから、今はお互いの音楽活動に支障が出ないようにおとなしくしてんだろうな。」

「ツアーが終わる頃にはCDが出ますよね。それからテレビ出演なんかの予定があって、その後はどうするんでしょう?」

「しばらく日本で活動するとか言ってたけど、アイツらと一緒にやるのは今回だけだろ。」

「ケイトは…どう思ってるんでしょうか…。」

レナが呟くと、ヒロは笑いながらタバコの煙を吐き出した。

「ユウのことか…。それはユウがハッキリしてやらねぇと、ケイトも次に行けないんじゃないか。」

「私、ケイトの曲を聞いて、ちょっと切なくなっちゃいました。ユウを譲るわけにはいかないけど、ケイトも本気だったんだろうなって思うと…なんかつらくて。」

「レナはホントにいい子だなぁ…。」

ヒロは笑いながら優しくレナの頭を撫でる。

「レナが心配することじゃないさ。どんなに追いかけても自分のものにならないユウを想い続けるくらいなら、ちゃんと終わらせてやった方が、お互いにとっていいに決まってる。」

「そうなんですけど…逆の立場だったらと思うと…。」

「じゃあ、ユウをケイトにくれてやるか?」

「それはダメです!」

「それならユウを信じてやりな。」

「ハイ…。」