ホテルにチェックインすると、案内されたのは窓から神戸の夜景が一望できる部屋だった。

「わぁ…すごいね…。」

レナは窓際に駆け寄り、初めて見る神戸の夜景に目を輝かせている。

「ホントだ、キレイだな。」

ユウはレナを後ろから抱きしめ、しばらく二人で夜景を眺めた。

「アイツら、気を利かせてくれたのかも…。」

「そうなのかな?」

「うん…多分。オレとレナが二人っきりになれるように。」

「ふふ…。新婚旅行の続きみたいだね。」

「そうだな。」

ユウはレナにそっとキスをする。

「夜景もキレイだけど、夜景見てるレナはもっとキレイ。レナの目に夜景が映ってる。」

「ユウって…ホントに激甘。」

「でも、こういうオレも好きでしょ。」

「うん…大好き。」

二人はまた唇を重ねて抱きしめ合う。

「お風呂、一緒に入ろう。」

「えっ…。」

「この間は結局一緒に入れなかったから。」

「だってあの時はユウが…。」

恥ずかしそうにうつむくレナの髪を撫で、ユウはレナをじっと見つめる。

「うん。だから今日は、オレが我慢できなくなる前に、一緒に入ろ。」

色っぽいユウの目に見つめられ、レナは顔を真っ赤にしてもじもじしている。

「…この前みたいにしない?」

「…努力する。」

「努力するって…。」

ユウはレナの頭をポンポンと優しく叩いて、バスタブにお湯を張る。

「レナ、先に入る?後に入ると、レナが洗ってる間、オレずっと見てるけど。」

「…先に入る…。」

結局はユウの甘い声と視線に逆らえず、レナは先にバスルームへ向かう。

(ユウのあの声と目にはかなわない…。)