バーを出て、相川はレナのそばに行くと、今夜はこっちに泊まることにしたと話す。

「相川くん、ホテル予約してた?」

「してないからレナに相談してる。レナの取ったホテル、オレに譲って。」

「えぇっ?!そうしたら私は?」

慌てるレナのそばにタクミが来て、レナの肩をポンポンと叩く。

「あーちゃん、オレの部屋に来る?」

「いや、それは…。」

「タクミ…オマエは…。」

レナの後ろでユウが低く呟く。

「あれ?ダメだった?」

「ダメに決まってるだろ!!」

「じゃあ、ユウとあーちゃん、二人で泊まれるとこ、どっか探せば?」

「えぇっ?!」

「今からでも1軒くらいは見つかるでしょ。」

タクミがスマホを出して、近くのホテルを探し始める。

「いやいやいや…。」

「いいじゃん。マネージャーにはオレから言っといてあげるから、ユウは明日の晩までにホテルに帰ればいいよ。あーちゃん一人で泊まらせるの、ホントは心配なんでしょ?」

「そうだけど…。」

ユウがあたふたしている間に、タクミは今夜の予約ができるホテルを探し出して、勝手に予約をした。

「片桐様お二人様、予約完了っと。」

「えぇっ!!」

「ハイ、ここね。明日はあーちゃんとゆっくりしてきなよ。」

タクミはユウのスマホにホテルの地図を送信して、ニヤニヤしている。

「さぁ、そうと決まれば行っといで。」

タクミはユウの背中をポンと叩く。

「…しょうがないな…。」

レナが相川のスマホに予約したビジネスホテルの地図を送信した後、ユウとレナはそこでみんなと別れ、タクミが予約したホテルへタクシーで向かった。

「オレ、着替えとか全部ホテルに置いて来たのに…。レナは着替えとか大丈夫?」

「私は大丈夫だけど…。」

「じゃあ、1日くらいはまぁいいか。」