レナは、突然観客の前に連れ出され、大歓声に固まっている。

「タクミーっ!!」

ユウは大声で叫んで頭を抱えた。

「ユウは相変わらず照れ屋さんだねぇ。ファンのみんなの前で、ちゃんと報告しないと。」

タクミの言葉に、ユウは恥ずかしそうに頭をかきながら、渋々マイクの前に立つ。

「えー…いろいろご心配お掛けしましたが…2月14日に、無事に彼女と入籍しました…。」

ユウがレナの肩に手を添えて静かに話すと、会場からは二人を祝福する大歓声が起こった。

「ユウおめでとう!!」

「お幸せにー!!」

「ありがとう…。いろいろありましたが、二人で頑張って行きますので…温かく見守って下さい…。」

ユウはペコリと頭を下げる。

レナも我に返って、慌てて頭を下げた。

「とりあえず…彼女、ものすごく人前が苦手なんで…ステージからおろしてあげてもいい?」

ユウが小さく呟くと、観客からはまた歓声が上がる。

「ユウ優しいー!!」

「カッコいいー!!」

観客に混じって、メンバーたちもユウを冷やかす。

「キャーッ!!ユウカッコいいー!!」

「新婚さーん!!お幸せにー!!」

「旦那さん羨ましいーっ!!」

ユウは照れて真っ赤になりながら、メンバーたちを睨む。

「いい加減にしろ、オマエらーっ!!」

ユウはまた大歓声に固まってしまったレナの手を引く。

「大丈夫か?」

レナは茫然自失している。