「オレはどこにも行かないよ…。オレはもう、レナしか愛せない。レナじゃないと、ダメなんだ。」

「嘘つきな私でも…?」

レナは涙声で絞り出すように呟く。

「オレのこと愛してるって言ってくれたのは、嘘じゃないだろ?」

レナはユウの胸に顔をうずめてうなずいた。

「ユウならわかるでしょ…。私には…最初からユウしかいないよ…。」

レナの言葉を聞いて、ユウは抱きしめる腕に力を込めた。

「レナ、つらい思いばっかりさせてごめん。嘘なんかつかせてごめん。オレも、レナに知られたくなくて嘘ついた…。ホントにごめん。」

「うん…。」

ユウはレナの頬を両手で包み、レナの涙を濡らす涙を親指で拭った。

「誰になんて言われても、オレが愛してるのはレナだけだ。信じてくれる?」

「うん…。ユウは、どっちの私を信じるの?」

「そんなの決まってる。オレだけが知ってるレナが、オレのレナだ。」

「うん…そうだよ…。」

ユウはレナの唇に優しく口付けた。

「他の人には見せない顔も、他の誰も知らないレナも…全部オレだけが知ってるんだよな。」

「うん…。ユウじゃなきゃ…他の人じゃ、イヤだよ…。他の人とは考えられない…。」

「ありがとう…オレを選んでくれて…。」

「もう、他の人の所へなんか行かないで…。」

「行かないよ。オレが欲しいのは、レナだけなんだから。」

「私は…ユウのものだよ?」