ユウは慌ててお風呂から上がり、レナの部屋のドアを開けた。

レナはベッドの上で、声を殺して、一人泣きじゃくっている。

「レナ!!」

ユウは泣いているレナを強く抱きしめた。

「ごめん…。オレ、レナの気持ち、全然わかってなかった…。」

「ユウ…。」

「考えたらわかることなのに…レナが不安なの隠して、無理して笑って許してくれてるの、全然気付いてなかったんだ。ホントにごめん。」

レナはユウの腕の中で、声を上げて泣いた。

「ユウがまた私のそばから離れて行くんじゃないかって怖かったの、すごく不安だった!ケイトに何されても黙ってるユウを見てるのも、すごくつらかった!私のユウを取らないでって、本当は大声で言いたかったの!!好きなのはレナだけだって、ケイトの気持ちには応えられないって、どうしてハッキリ言ってくれないの?!優しいのはレナにだけ特別なっていつも言ってるくせに、なんで私以外の人にまで、そんなに優しくするの?!ユウのバカ!!嘘つき!!そんなユウ、大嫌い!!」

ずっと胸の奥に溜め込んでいたいろんな気持ちが溢れ出して、レナはつらかった思いのすべてを、初めてユウにぶつけた。

レナは今まで生きてきた中で、こんなに感情をむき出しにして大声で泣くのも、胸の内を吐き出すのも、初めてだった。

「つらい思いさせてごめん…。それでもオレは…誰よりも、レナが好きなんだ…。」

腕の中で泣きじゃくるレナの髪を撫で、ユウは何度も何度も“ごめん”と繰り返す。