新婚の定義──嘘つきな君と僕──

二人は売店で買った水を飲みながら、浴衣姿でゆっくりと庭園を散歩した後、手を繋いで客室に戻った。

二人がお風呂に入っている間に、客室には布団が2枚並べて敷かれていた。

(なんて言うか…浴衣に布団って妙に…。)

普段とは違うシチュエーションに、急にドキドキしながら、ユウはレナの様子を窺う。

レナは濡れたバスタオルをハンガーに掛けると客室の奥の応接セットのソファーに座って、大きな窓から夜景を眺める。

(…すごく色っぽい…。)

ユウは冷蔵庫からビールを取り出し、栓抜きで栓を開けてグラスに注ぐ。

「ハイどうぞ、奥さん。」

「ありがとう、旦那様。」

二人でグラスを合わせて乾杯すると、ユウは勢いよくグラスを空けた。

「はー、うまい。」

「ユウはビール好きだよね。」

「そうだなぁ。」

「この辺り、有名な地ビールがあるんだって。お土産に買って帰ろうね。」

「いいねぇ。」

レナがユウのグラスにビールを注ぐ。

レナのそんななんでもない仕草にも、ユウは見とれていた。

(このカッコ…何しても色っぽい…。)

じっと見つめるユウの視線に気付いたレナは、照れ臭そうにユウから目をそらした。

「あの…そんなにじっと見られると、恥ずかしいんだけど…。」

「いや…レナ、色っぽいなーって…。」

「えぇっ?!」