新婚の定義──嘘つきな君と僕──

スタジオに戻ると、メンバー5人の写真と、その後ケイトも加えた6人の写真を撮った。

レナは何事もなかったように、淡々と撮影を進めた。


撮影をすべて終えると、レナは水野とパソコンを見ながら、仕事のやり取りをし始めた。

ユウはそんなレナの姿を見て、声を掛けることもできずに背を向けた。

ユウがスタジオを出ようと歩き始めると、ケイトはユウに駆け寄り、腕を絡める。

「ユウ!」

「だから、あんまりくっつくなよ…。」

「いいでしょ?今更そんなこと言う仲でもないじゃない。」

「ケイト…!」

ユウはレナに二人の仲がどうだとか言う話を聞かれたくなくて、慌ててケイトの腕を掴んでスタジオを出た。

そんな様子を、水野が不思議そうに見ている。

「さっきから思ってたんですけど…高梨先輩と片桐先輩、結婚したんですよね?」

「うん。」

「でもケイトと片桐先輩は…。」

「ロンドンにいた頃の音楽仲間なんだって。二人は特別仲が良かったみたいだから。」

表情ひとつ変えずに淡々と話すレナを見て、水野は眉をひそめた。

「高梨先輩は、平気なんですか?」

「…夫の過去をいちいち詮索してたら、身がもたないよ。」

「いや、過去の話じゃなくて、今の話をしてるんですよ?」

「えっ?」

「今、先輩は…幸せなんですか?」

レナは作り笑いを浮かべ、わざと明るい声で答える。