新婚の定義──嘘つきな君と僕──

途端に恥ずかしさが増して、レナは更に顔を真っ赤にする。

「どうしたの?」

ユウはそっと下ろしたレナの体をバスタオルで包みながら、その色っぽい目でレナを見る。

「なんでもない…。」

レナはユウの視線から逃れるように、慌てて目をそらした。

「恥ずかしいから、あんまり見ないで…。」

「ずっと見てたいんだけどな…。」

「ダメ!!もう、あっち向いてて!!」

「ハイハイ。」

ユウは笑いながらレナに背を向けると、少し離れた場所で体を拭いて、浴衣を着る。

(あっち向いてろって言われたけど…。)

ユウはレナに気付かれないように、そっとレナの方を見た。

レナが、浴衣に袖を通している。

(めちゃくちゃ色っぽいんだけど…!!)

初めて見るレナの浴衣姿。

ゆるく結い上げた髪。

細い首筋にかかる後れ毛。

(レナ、だんだん色っぽくなってくな…。)

付き合い出した頃のレナは、それまで誰とも恋をした経験がなく、何もかもユウが初めてで、ユウが体に触れることにも、自分からユウに触れることにも戸惑っていた。

(あれから1年経って…まさか結婚までしてるとは思わなかったけど…レナは、オレだけのレナなんだよな…。)