「ミキ、俺のこと…諦めてくれないか？」
哀しそうな声でミキさんに言う條崎。
ミキさんも、目に涙を貯め始めた。
「もぅ…良いわよっ！
逢坂さん、零を泣かせたら許さないんだからァ！！」
ミキさんは「うわあああんっ」と泣きながら教室を出て行った。
てか、あたしが條崎を泣かす？
それ、逆じゃないの？
あたしが條崎を泣かすはずないじゃん。
「ミスズ、これからよろしくな？」
「……」
よくわからぬまま、あたしたちはカレカノの関係になった。
あたしは断ることもせず、條崎の笑顔を見ながら、ゆっくり頷いた。
「……おめでたいのね、逢坂さん。
零が本気になるわけないのに……。
せいぜい、少しの間の幸せを楽しみなさい………」
