「……アンタ、変わっているな」
杉本くんは溜息をついた。
「俺が今まで会ってきた女子の中で、お前は1番変わっているよ。
何でそんなに、純粋に零のことが好きでいられるわけ?」
何で、か……。
「杉本くんならわかるかもしれないけど…。
零って、凄く笑顔がかっこいいんだよ?」
「……それ、女子なら全員言うけど」
「零の笑顔は、他の人と違うの。
笑顔の裏に、寂しさとか哀しさがあるの。
あたしは、その裏の笑顔に、掘れたんだと思う」
「裏の笑顔?」
「うん。
零の笑顔は笑顔でも、哀しそうな笑顔とかに惚れたんだ」
幸せそうな笑顔も、勿論好きだけど。
完璧な六冠王の零の、裏の顔が好きなんだ。
他の女子には見せたことのないような、儚い笑顔に。
「……お前、本当変わっているな」
「杉本くんも、変わっていると思うよ」
「俺が?」
「うん。
だって杉本くん、零のこと大好きなんでしょ?」
杉本くんは暗闇の中でもわかるほど、顔を真っ赤にした。


