死神の初恋は腹黒くん


あたしが許可をもらおうと思って言おうとしたら


「行ってこい。」


「え?本当ですか?」


「あぁ。夕餉までには戻ってこいよ。」


そう言うと土方さんは部屋の中へと入って行った。


「栄助、やったね!」


「よし、行こうか!ほら。」


栄助はあたしに手を差し伸べた。


手をつなげって事?

あたしはその手をとって握った。

「うん。」


あたしたちはそのまま屯所の中を歩いた。

「ここ、廊下長いね…」

「そうだよね。すぐに慣れるよ。」

すると前から総司さんが来た。

「あ、総司さん。」

総司さんはあたしたちをみると何事もなかったようにそのまま横を通りすぎた。

「?」

「…そういうことか。でもいくら沖田組長でも渡しませんからね。」

総司さんは栄助のつぶやきに聞こえたのかこちらを向いた