死神の初恋は腹黒くん

「いひゃい〜！わかっひゃかひゃ、はなひてひょ…(痛い〜！分かったから、はなしてよ…)」

「偉い子、偉い子。」

頭をよしよしと優しく撫でてくれる。

あたしは嬉しくて思わず頬が緩んでしまうのが分かります。

「ふふ。褒めてもらえて嬉しい！あたし、いっつも仕事で失敗してばっかりだから。」

「これからは、僕が毎日撫でてあげる。僕が死ぬ前までずっと…、ね？」

あたしは頷きました。

雰囲気がしんみりとした時に

ガラ

「何そこでイチャついてんだ。仕事しろ、仕事を。」

少し不機嫌な土方さんが部屋から出てきました。

「今、仕事してますよ？ね、栄助。」

「うーん…僕は美誠と違うからね。」

「なんかやけに親しげだな。」

「あたしと栄助は友達ですから。」

「そうか…って、ちょっと待て。奥沢、お前こいつ見えるのか？朝の時は見えなかったが。」

「はい。朝の時は見れませんでしたが、ついさっき見えるようになってしまったのです。」

「じゃあ、お前まさか…」

「土方さんの言う通りです。栄助は近々亡くなります。あたしの邪魔だけはしないで下さいね？」

土方さんは何か言いたそうな顔してます。

けど、あたしはそのまま続けました。

「仲間を失う気持ちは分かりますが、これは…運命なのです。」

あたしはきっぱりとそういった。

言ったからにはきちんと処理をしなければならない。

「そうか。奥沢はいつ死ぬんだ？」

「言ったら土方さんは徹底的に栄助を守りますよね？けど、守ってもあたしが無理やり連れて逝きます。」

強い言い方になったかもしれないですけど、あたしは閻魔様に大きな仕事を任されたからにはきちんとやり遂げたい。

こんなあたしにこんな仕事くれるんですもの。

最後まで、死神としてやらないと。