死神の初恋は腹黒くん


そう言ってまた微笑んでくれた。

ドキッ

美誠ちゃんが笑いかけたら鼓動が早くなった気がした。

「あぁ!ずりぃぞ!俺も平助って呼んでくれよ!」

「はい、いいですよ!」

「やったー‼︎‼︎」

平助も美誠ちゃんに言った。

さらに

「俺も…一と呼んでほし……ぃ…。」

「「「ええっ!」」」

珍しい。

一君が女の子に呼び捨てにして欲しいと言うなんて。

「一…さんでしたっけ?」

「あぁ。」

うわぁ…

顔が真っ赤になってる。

「顔赤いですよ?ちょっと失礼しますね?」

そう言って美誠ちゃんは一君に近づいて額に手をかざした。

…のはいいんだけど

「美誠ちゃん!顔が近いよ!」

「え?でも、そうじゃないと風邪治せません。」

美誠ちゃんは超が付くほどの鈍感。

一君の顔が赤いのは風邪じゃないんだけどな…

「……っわ!」

一君はもう限界が来たのか気絶した。

気絶するほど美誠ちゃんが好きなんだ…

はぁ…

「一さん?!ちょっと、ここで死なれたらあたし困りますよ!きちんと予定日に死んでくれないと困りますから!」

「「「……。」」」

そうだった。

この子死神だったんだ…。

すっかり忘れてたよ。

「美誠、齋藤は気絶してるだけだ。」

「そうなんですか?閻魔様がそう言うな………っあ!」

閻魔様?

確か地獄の王だとか聞いたことあるけど

「もしかして土方さん、閻魔だったんですか?」

「総司!!ンなわけねぇだろ!」

「ごめんなさい!なんか閻魔様に似てたんで!土方さん!」

「そんなに似てるのか…?」

なんか若干傷付いてる土方さん。

「まぁ、少し…。まぁ、死んだら閻魔様に会えるんでその時になったらわかりますよ」

笑顔で言う死神こと美誠ちゃん。